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Zhai, M.*; 吉井 文男; 久米 民和; Hashim, K.*
Carbohydrate Polymers, 50(3), p.295 - 303, 2002/11
被引用回数:180 パーセンタイル:98.74(Chemistry, Applied)デンプンがポリビニルアルコール(PVA)ハイドロゲル強度を改善するために添加された。デンプンはPVAを水に溶解した後80-90Cのノリ状態で均一に混合し、照射を行った。デンプンの添加とともにハイドロゲル強度が増大し、8-10%が最も効果的であった。ゲル強度はデンプンを構成しているアミロースとアミノペクチンのうち、アミロースが支配的であることがわかった。このデンプンの効果は放射線分解したデンプンがPVA分子鎖にグラフトし、絡み合いを起こすためと考えられる。
Wach, R. A.*; 三友 宏志*; 吉井 文男; 久米 民和
Macromolecular Materials and Engineering, 287(4), p.285 - 295, 2002/04
被引用回数:58 パーセンタイル:85.14(Materials Science, Multidisciplinary)ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が20%以上のペースト状態の照射により橋かけ反応を起こした。橋かけHPCは吸水しハイドロゲルとなった。得られたハイドロゲルは温度応答性を示し、35~40Cで著しい体積収縮が起き、温度降下により元の体積に戻る可逆的変化を示した。ゲル強度は線量とともに増大した。このハイドロゲルは、50kGy照射により10kGy照射の3倍大きい強度が得られた。乾燥後のゲルについても照射により著しく強度が増加した。これらの結果から、ペースト状橋かけが機械的強度の向上に有効であることがわかった。また、HPCは酵素分解の結果から、橋かけ後も生分解性を有していた。
幕内 恵三; 吉井 文男; Aranilla, C. T.*; Zhai, M.*
JAERI-Conf 2000-001, p.192 - 195, 2000/03
ポリエチレンオキサイド(PEO)やポリビニルピロリドン(PVP)水溶液の放射線照射でつくられるハイドロゲルは、不純物を含まず生体親和性にすぐれているが、脆弱であるという問題がある。海藻多糖類である-carrageenan(-CA)は、胞子野戦分解型のポリマーであるが、PEOやPVP水溶液に-CAを添加して照射すると、ポリマーの放射線橋かけを促進することを見いだした。-CAの主鎖切断ラジカルがPEOやPVPの側鎖切断ラジカルと結合すると推定される。-CAの添加でハイドロゲルのゲル強度が高まった。これらのゲル強度は-CAの添加量と線量に依存した。15wt.%のPVPハイドロゲルでは20kGyでゲル強度は10Nであったが、-CAを5wt.%添加したものでは140Nになった。-CA添加ハイドロゲルは、-OSO基があるため多量の水を吸収できるという特長がある。
C.T.Aranilla*; 吉井 文男; Dela-Rosa, A. M.*; 幕内 恵三
Radiation Physics and Chemistry, 55(2), p.127 - 131, 1999/00
被引用回数:49 パーセンタイル:94.06(Chemistry, Physical)天然高分子のカラギーナン(KC)ゲルの耐熱性を圧縮試験によるゲル強度により評価した。KC水溶液は塩化カリの添加によりゲル化するが、ゲル強度は非常に弱い。このため、水溶液中でよく混合するポレエチレンオキサイド(PEC)との複合ゲルを照射により調製した。KCの単独の水溶液は照射により分解が起こるため、ゲル強度が低下するが、PEOを添加すると、10kGyに強度の最大値が現われる。この場合PEOとKCの割合は、等量が最も高いゲル強度を与える。このゲルを20分間オートクレーブ滅菌を行ったところ88%の強度を保持していた。以上の結果から、カラギーナン-PEOゲルが医用材料への応用が期待できるようになった。